ファンド資金が全て喪失、、、人生の二番底のスタート地点

 

※こちらの記事は「人生で体験した最悪の2番底」
の続きの記事となっております。

 

当時預かり残高が数十億(100億近く)あったのに、
そのお金がすべて消失したというのです。

 

いや、そんなわけないでしょ?

利益出てるって言ってたじゃん?

え、じゃあこないだ出した配当って何だったの?

 

矢継ぎ早に質問したい言葉が思い浮かぶものの、
目の前に座るTさんの表情からそのすべてを読み取りました。

 

あぁ、そういうことだったんだ、
全ては幻想だったのだ、
どこからかというのは分からないものの、
ファンドの運用はうまくいってなかったのだ。

 

自分達が投資家に送金していた配当は、
利益から出していたものではなかったのだ、
利益など出ていなかったのだ、と、
察することができました。

 

この時点でこの目の前に座るTさんを責めてもしょうがないと感じました。

 

もちろん、自分が騙されている可能性も考えつつも、
現在の状況を正確に把握しなくてはならないと思い、
落ち着いて一つずつ質問をすることにしました。

 

「ファンド資金が尽きたって言いましたけど、
実際はいくらほど残っているんですか?」

 

一瞬顔を曇らせて言いたくなさそうな表情をしながら、

「3億もないくらいだな、、、」

 

Tさんの言った数字は、ファンド総額のおよそ3~4%程度
ここ最近はファンドが順調なことになっていたので、
その数字ではたったの1~2か月ほどで、
配当に消えてしまいかねない数字でした、、、。

 

さすがに5000万の借金を経験した自分でも目の前が真っ暗になりました、、、。

 

しかしとどまるわけにも行きません。

「何かプランはあるんですか?」

「今時点ではないけど、何とかするから。
お前は投資家の方たちに現状の説明をしてくれ。」

「わかりました。」

 

この時点では現状をこれ以上聞いても言わず、
正確な説明を聞くことができなかったため、
どのような説明をしたらよいのか、
という質問で状況を聞き出しました。

 

「相場の急激な変動でポジションを重ねていった結果、
相場の方向性を読むことに失敗し、
資金がなくなってしまった、と伝えてくれ。」

とのことでした。

 

そんなわけないじゃん、ありえないでしょ、
話の最初から最後まで無茶苦茶で支離滅裂な話ですが、
乗ってしまった船、担いでしまった神輿を降りることも降ろすこともできません、、、。

 

Tさんの行動や発言に違和感を感じた瞬間を、
今になれば思い出すこともできるのですが、

順調にいっていると信じ切っていたその当時、一切気にも留めすらしませんでした、
しかも今になりこんな事態を引き起こしているなんて、、、。

 

顧客資金を引き上げさせるタイミングはいくらでもありましたし、
Tさんを止めるタイミングはあったと思いますが、
誰もが皆浮かれていたせいで正確な判断ができなかったのだと思います。

 

人生の二番底初日の夜明け前

その日は既に夜も更けていたので、
投資家の方たちに連絡をするわけにもいかず
次の日を待つことにしました。

 

しかし、寝ることもできません、、、。

 

あまりの出来事に、頭が錯乱状態です。

 

いろんなことが頭を駆け巡ります。

 

あれ、全部嘘なんじゃないか、
実は明日になったら全部ドッキリだとか言われて
めちゃくちゃ笑われるんじゃないか。

 

Tさんが全部お金を隠しているんじゃないか、
自分も投資家も騙されているんじゃないだろうか、
明日になったらTさんは夜逃げしてしまって、
連絡がつかなくなってしまうのではないだろうか。

 

Tさんはすごい人だから、
明日には解決策がポンと出てきたりして、
全てがまるっと何事もなかったように
解決してしまうのではないだろうか。

 

、、、。

 

その全てがその日のTさんの表情から
あり得ないことが読み取れました。

 

事情が分からないけれども、Tさんが自分の恩人であること、
また、自分がファンド運用の虚偽報告はしていないものの、
自分自身の仕事はやりきるべきであると考えてはいたので、
Tさんが復活するまでは支えていこう、
そう考えておりました。

 

唯一の救いは、自分自身がその会社の役員ではないため、
経営責任は追及されないこと、
ファンド資金の預かり主は法人であるため、
自分自身が返済を行う法的責任がないことでした。

 

とはいえ、自分が営業をした投資家が、
自分に対して何も感じないわけもないことも、
怒りをぶつけてこないわけがないことも分かっていました。

 

まして、人間関係を良好に気づいていた方たちが、
どんな反応を示すかなんて想像だにしませんでした、、。

 

全く眠ることもできず、夜が明けていきました。

 

 

うわぁ、夜が明けてしまったよ、、、

これから何が始まるのか、
何が起きるのかなんてことが全く分からない
未体験ゾーンの始まりでした、、、。

 

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